東西両監督が語る「ニッポン食堂のみどころ」02
徳江倫明氏〔司会進行役〕

今回も一流の料理人が集まっているようで楽しみですね。では、ひとつお聞きしてみたいのですが、おいしい料理をつくるうえで、〈素材が何割・料理人の腕が何割〉という認識なのでしょうか。
近藤紳二氏〔東軍監督〕

自分は料理をひとつひとつ段階を追って考えていくタイプで、素材が本来持っている味、つまり食味がコースのなかで重複しないように配慮します。当然、はじめは素材の味が10割でなければなりません。素材がダメだと、どんなに調理で手をほどこしてもおいしくはなりませんから。素材が優秀ならば、あとは〈食味の声〉が聞こえるかどうかです。これは人によってレベルが違いますので、何割という数値化はできません。
今回の豚肉料理を例にとると、梅山豚(メイシャントン)もやんばる島豚も脂の香りが秀逸なのです。その香りを残したまま余分な脂を落とすには、〈蒸(ふ)かす〉のがいちばんの調理法だとわたしが思っていたら、東軍の小林さんも西軍の大石さんもそうしていましたので、「さすが、一流の料理人が集まってきているな」と感じました。
佐藤伸二氏〔西軍監督〕

料理人は若いとき、料理の引き出しを増やすためにテクニックの習得を優先してしまいます。素材の良さを考えずに炒めたり、ソースにしたりするのです。
わたしは漢字の「料理」は、「材〈料〉を〈理〉解する」という意味でとらえています。素材を生かすためにはテクニックが多いほど有利ですので、最初の10年間は技術の習得に邁進(まいしん)するのも悪いことではありません。ただし、食材知識の差によって、同じ優秀な素材でもできあがりの料理が変わってくることは肝に銘じておいてほしいのです。
料理人のレベルによっても割合は変化しますから、やはり〈素材が何割・料理人の腕が何割〉という数値化は難しいですね。

















