東西両監督が語る「ニッポン食堂のみどころ」01
徳江倫明氏〔司会進行役〕

それでは、「東西両監督が語る〈ニッポン食堂のみどころ〉」と題したシンポジウムを開催します。
ここでは、ニッポン食堂のみどころをできるだけわかりやすくみなさんにお伝えして、このあとの食事がさらにおいしくなるように情報で味つけしてみたいと思います。
本日は素材をつくる人、料理をつくる人、そしてそのあいだを取り持つ流通の人をお招きしています。
イベントで用意された食材の情報などを仕入れながら、食の未来を考えるうえで避けてはとおれない食料問題や日本の農業問題にも少しふれてみたいと思います。
まずは「東西対抗」ということで、どのような戦略があるのか、自軍のポイントを両監督にうかがってみましょう。東軍監督の近藤さんからお願いします。
近藤紳二氏〔東軍監督〕

わたしは第1回・第2回と「ニッポン食堂」に参加させていただきました。今回、このお話をいただいたときに、最初は「東西で戦ってみてどうなるの?」と思いました。ところが、「生活者が食に対して目を向けるきっかけになりやすいのではないか」という意図を知って、「なるほど」と賛同して監督を引き受けたのです。
第1回のときは、和食の道場六三郎さん、洋食の山田宏巳さん、中国料理の陳建一さんなど、著名な料理人が集いました。
東軍は今回、彼らのお弟子さんにあたる若い料理人に声をかけました。将来を嘱望されている若い料理人たちが、生産者の顔が見えるという状況で、どれだけ食味や産地にこだわって料理しているかを、ぜひ見ていただきたいと思っています。
和食は老舗「つきぢ田村」で〈若〉と呼ばれている田村隆さん。よくNHKの番組にも出演していて、将来の食文化に対しても造詣が深いかたです。中国料理は〈陳建一さんの右腕〉といわれる「赤坂四川飯店」の料理長・鈴木広明さん。洋食は、西軍監督の佐藤さんがフランス料理専門ですので、東軍はあえてイタリア料理を選びました。落合務さんや山田宏巳さんなどに相談したところ、青山で「ビンゴ」という店を開いている小林秀徳さんを推薦してくれました。パティシエは落合さんが自分の店「ラ・ベットラ」で活躍するチーフパティシエの小野美咲さんを紹介してくれました。今回はこの若い陣営で、西軍の胸を借りるつもりで挑戦したいと思います。
徳江倫明氏〔司会進行役〕

ありがとうございました。つづきまして、西軍監督の佐藤さんです。佐藤さんは、産地に直接出向いて素材を生産者から提供してもらうだけでなく、自ら畑を耕して野菜をつくり、堆肥などの実験をしながら料理に挑んでいるというユニークな料理人です。
佐藤伸二氏〔西軍監督〕

東軍が若手を集めたのに対し、西軍は熟練の業(わざ)にふれてみてもらいたいと思います。そのため、料理全体の本質を見極められる料理人に声をかけました。つくる技術ばかりを追求している料理人が多いなかで、西軍は〈生産から流通まで〉の目を配れる料理人を厳選していますのでご期待ください。
洋食・フランス料理の「祇園トランティアン」オーナーシェフの馬淵誠さんは、わたしと一緒に生産地によく足を運び、素材探しをされています。和食は「ウェスティンホテル大阪」日本料理料理長の白水倫也さん、中国料理は「大阪新阪急ホテル」の大石清治さんにお願いしました。おふたりも、やはり素材探しに熱意のある料理人として名を馳せています。パティシエは手前味噌で恐縮ですが、「ホテルグランヴィア京都」製菓料理長の畠中雅明さんに声をかけました。彼も素材に愛情をもって接する料理人で、いろいろなお菓子のコンクールで優勝している心強い味方です。今回は、この布陣で若い東軍に挑みます。

















